データサイエンスとデータドリブン経営

データサイエンス/デジタルマーケティング/データドリブン経営の書籍紹介・感想

物理学者はマルがお好き

  • 学びになった点

 

・単純化したモデルを作成するところ

第一章の牛をマルに例える部分で、物事を単純化してモデルを作成して分析するというのは、文系の学問でも経済学でもやっており、目新しいことではないと思っていた。

しかし、体積と表面積の関係から牛の大きさに限界があること、首の太さから頭の大きさに限界があることなど、簡単な考察から示されて目から鱗が落ちた。経済学的思考法や法学的思考法になれている人が世の中の現象に経済学や法律を当てはめるように、物理学的な思考法に慣れている人にとっては当たり前な考察なのかも知れないが、私にとっては驚きだった。

 この本を読むまでは、牛の大きさに物理学的な限界があるとは思いもよらなかった。(今でも不思議な気がする。)物理学的な思考方法で他にも色々なことがわかるかも知れないと思うと、物理学を学んだ人がうらやましいと思う。

 

・数式について

式変形をすることで思いもよらないことがわかるというのは、自然言語だけを使った法学や文学にない方法なのであまり馴染みがないのだが、強力なツールだと思う。マーケティングに使う統計の多変量解析の勉強を「和」という数学教室に通って始めたのだが、式変形から役に立つ性質が導けて面白い。

式変形を追っていく部分は、前回の課題本だった哲学書の言葉の言い換え/再定義を追っていく過程に頭の使い方が似ているような気もする。(片方は数式で片方は言葉で扱っている対象も全く違うが。)

 

 

  • 物理学について

 

ガリレオの指」を分からないながらも読んでいたお蔭で、物理学の説明もわかる部分が多くなった。わからない分野も知識を積み上げていくとわかるようになっていくので、これからも物理学/科学の知識が出てきた場合は、敬遠せずに少しでも学んでいこうと思う。

文科系の人間は、科学技術について疎いので勉強するとビジネスチャンスに繋がる可能性もある。ビジネスに繋がらなくても、人間の利害に関係のない世界を学ぶことで、世界が広がって心に余裕ができる気がする。(それが教養なのかもしれませんが。)