不揃いの木を組む
- イノベーション視点からの宮大工
イノベーションという面から見ると、宮大工は最もイノベーションのスピードが遅いのではないか?と思った。
イノベーションを起こすためには、宮大工の価値観の逆にヒントがあるのではないか?と今回考えた。
- 「宮大工の価値観」と、その「逆の価値観」
下表は「宮大工の価値観」と、その「逆の価値観」の対比である。
宮大工の価値観 |
逆の価値観 |
仕事仲間は一緒に生活する。 |
いろいろな生活の人と仕事する。 |
本を読まない。テレビを見ない。 |
色々な情報に触れる。 |
技術をしっかり身に着ける。 |
技術はつまみ食いする。 |
下積みが大事 |
新人が難しく重要なことを手掛ける。 |
10年かけて覚える。 |
10年前のことは忘れる。 |
細部にこだわる。 |
細部は手抜きする。 |
きれいに仕上げる。 |
粗削りで終わらせる。 |
機械は使わない。 |
機械を使う。 |
あうんの呼吸 |
言葉で伝える。 |
昔の人を尊敬する。 |
昔の人はバカだと考える。 |
趣味などの時間は取らない。 |
趣味に力を入れる。 |
道具は大事に手入れする。 |
道具は使い捨て |
法隆寺だけ見る |
新人のうちから色々見る。 |
「全体」と「部分」をしっかり把握する。 |
全体も部分もよく分からないで進める。 |
- 考察
「宮大工の価値観」は「品質のよいもの」が「確実」にできそうである。
「逆の価値観」だと、「物が出来上がるか分からない」が、新しい要素を取り入れやすい。
進歩の速い時代に、技術者が生き残るには「逆の価値観」も大事にしないといけないのではないかと思う。