データサイエンスとデータドリブン経営

データサイエンス/デジタルマーケティング/データドリブン経営の書籍紹介・感想

海賊の経済学

当時の商船は船主が船員を監視するために船長に絶対的な権限を与えていた。

船員は給料が変わらないため働くインセンティブが少なかった。現代のサラリーマンに似ている。

それに対して海賊は全員が成果を求めており、ストックオプションのあるベンチャー企業に似ている。

 

  • 海賊の掟

海賊の掟を定め、船長もそれに従うこと、船長の解任の仕組みや船長の監視役など権力分立の仕組みがあって素晴らしい。組織を作る上で是非とも参考にすべきところである。

また、掟がしっかりと守られた場合が多いことも重要だ。海賊たちが独立かつ協力して生きていくために掟が重要だったということで、私もルールを守りたいところです。

 

  • 平等主義

船長と船員の格差を少なくして、全員が心を合わせられるようにしていた。途中で帰るものが出ないように目標額に到達するまで解散しないことを決めていた。これも全員の力を出すために必要な施策だと思い、学びが大きいです。

 

商船を見つけた者、勇敢な者への報酬を多くすることを定めるなどインセンティブによって行動を促していた。これも企業活動に役立ちそうです。

 

黒人も平等に扱われたなど能力主義が徹底している。現代のグローバル企業そのものに感じる。

 

髑髏の旗を使って、海賊たちが自分たちだからできる無法行為をブランディングしていたという指摘はいかに海賊が実利的だったかということ。他社にできない部分をブランディングして「○○は△△」となるように徹底的に感覚的なイメージを刷り込んでいくことが重要だと思いました。

 

  • 経済学について

 

経済学は経済関係の仕事(金融機関、経済関係の官庁)以外は関係のない学問かと勘違いしていましたが、この本を読んで人間の社会活動を分析するのに最も優れた思考体系だと思いました。

考えてみれば、政策は経済学に基づいているものが多いです。

例:タバコ税を課すことで国民全体の医療費を減らし税収も得る。

 

経済学に関しては資格試験の科目を落とすような中途半端な知識しかないのですが、今後は重要な考え方として学んで行きたいです。相互啓発の中で経済学について本質的に少しは考えるきっかけになったと思うので、教科書を覚えるのではなく、本を読んで経済学的に考えるようにしていきたいです。

 

3.他、関連すること

 

  • あとがきで山形さんが著者の主張の検証(掟は守られていたか?)をしているのは素晴らしい仕事だと思います。(山形さんの訳す本は面白い場合が多いと個人的には思います。)
  • 国富論』を読んでみようと思います。
  • 外国の大学生やコンサルの人を見習って、ハードカバーや新書を多く読むようにします。

グローバル化により市場が1つになり、競争が激しくなっているのでグローバルトップを目指して頑張っていこうと思います