命もいらず名もいらず
- 山岡鉄舟さんに見習うべきところ
冒頭7ページで寺の鐘を持ち帰ろうとするエピソードが示されるが、鉄舟さんの意志の強さ、まっすぐさ、頑固さには常識外れなところがあり、すごいと感じる。
高野さんがおっしゃるように鉄舟さんの生き方をそのままを真似る必要はないが、常識外れのことをする主人公の生き方には、清々しさと感じる。
自分のお金・地位・自分の立場を守ろうとしたり、他人からどう思われるかということを気にしたりしないで、自分の信念に従っているから人を惹きつけるのではないかと思う。
- 稽古と瞑想と意志力について
鉄舟さんは撃剣の稽古と禅の瞑想に励んでいる。
最近読んだ「スタンフォードの自分を変える教室」に、体を動かしたり、瞑想をしたりすることには、誘惑に負けず意志力が強くなる効用があると書いてあった。鉄舟さんの鉄の意志も日頃の稽古・座禅の賜物かもしれない。
私も昔、半眼のまま数を数えながら息を吐くという呼吸法を剣術の稽古でやっていたので、久しぶりに呼吸法をやってみた。10分もやらなかったが、頭がすっきりした気分になった。
- 撃剣における心理について
下巻P355で浅利さんとの対決で恐怖に打ち勝つという話に関連して。
- 剣術の先生の話
武士の家では子供に恐怖を教えないようにしていた。(具体的にどうするのかは聞いていない。)ロシアの軍隊では胃の辺りをへこまして恐怖の感情を無くすらしい。
- 剣道をやっている人の話
剣道をやっている人から「駆け引きとか本を読むと書いてある」と言われたことがある。剣道の試合でも心理は重要なようだ。
- 心の修養について
下巻P318に「おれは、剣術が好きだから、剣術で臨済宗の提唱をして見せたのだ。(中略)もっとも活かして使わなけりゃ、いくら座禅したってなんにもならぬ」とある。Wikipediaを読むと禅は宗教、哲学、思想とも違っていて、言葉を重視しないようなので、座禅会に参加して学んでみようと思う。(是非有言実行したい。)