侘び・数寄・余白
1.編集者/評論家について
松岡正剛さんは千夜千冊という評論を書いているのは知っていましたが、「ただ多くの書物を読んで雑学を増やすことに何の意味があるのか?」と思って内心馬鹿にしていました。
しかし、今回の講座では、音楽・絵画・文学・デザイン等、複数の領域で共通する日本文化の特徴が抽出されており、博覧強記の評論家のすごさ、役割がわかりました。
松岡さんの博学、記憶力のよさ、複数の事例の共通項の取り出し方のうまさなど、圧倒される感じがありました。
2.日本文化について
全体を通して思ったことは、自分自身がいかに日本文化を軽視していたかということです。
絵画、音楽、文学などで西洋のものは世界共通の素晴らしいものだと思うのですが、日本文化のものは素晴らしさがわからなかったりしていました。(モナリザ、べートーベン、ゲーテ、デカルト等は素晴らしいが、雪舟、横山大観、松尾芭蕉、西田幾多郎はよくわからないし、あまり重要でないと思っていました。)
これを機会に日本文化などについて、もっと触れる機会を増やしたいと思いました。
3.印象にのこったこと
- 尺八の穴が少なくなって、演者の身体によって音階を分けるようになっていったことは、職人芸のようで、いかにも日本的と思いました。
- 日本の絵画をつくるため中国に潜入した岡倉天心の覚悟。
- 西田幾多郎・岡倉天心・九鬼周造・内村鑑三など、名前は知っていても、著作を読んだことがほとんどなかったのですが、彼らが西洋文明の受容の中でどういうことを考えたのか興味が出てきました。
- 長谷川等伯の松林図屏風は、絵の中に引き込まれそうで水墨画というのが少しわかった気になりました。
- 樋口一葉の「たけくらべ」は読んだことがあったのですが、松岡さんのようには読めなくて背景知識によって、読み取り方に差が出ることが非常にわかりました。また、勉強して読みたいです。