データサイエンスとデータドリブン経営

データサイエンス/デジタルマーケティング/データドリブン経営の書籍紹介・感想

社会の真実の見つけ方

この本を読んで、自分がいかにアメリカのことを知らないかを思い知りました。ビジネス関連のアメリカのベンチャー企業、グローバル企業、金融機関の情報でアメリカのことを知ったつもりになっていましたが、中流階級の生活が崩壊してきていて、社会が成り立たなくなってきている状況を初めてちゃんと知りました。医療費が高くて医者に行けない人、学費が高くて大学に行けない人、または奨学金の返済に追われる人、落ちこぼれる人、貧乏で軍隊に行く人など、アメリカの競争社会で多くの人が困っていることを知りました。インド、中国、アメリカのようなGDPが伸びている国の経済発展の裏側では、競争に敗れた多数の貧しい人がいることが察せられます。福祉が充実している日本や(北欧ヨーロッパ?)は犯罪も少なく非常に恵まれているのではないかと思います。

私は今までどちらかというと、公平な競争、市場主義によって社会はよくなると考えていたのですが、教師がテストの点数によって競争されたりすることの弊害を示されて、理論だけでは現実はうまくいかないということを知らされました。現場、現実、事実を知ることがいかに大事かということかを知りました。事実をいかに知らせるかがジャーナリズムの役割だと思いました。

 余談になるのですが、P199の「最高の投資商品があるのですよ。若者の教育ですよ」というフレーズには一番感動しました。(その文章の中の場面ではなく、単独のフレーズに、「その通りだ」という印象を持ちました。)

 

以上