おすすめマーケティング戦略本
マーケティングの本といえば、コトラーの分厚い教科書や、著名なマーケター/経営者のビジネス本が思い浮かびます。
個人のキャリア戦略にも応用できる古典的で普遍的な内容について書かれた本はないかと探していたのですが、
下記の3冊がポジショニング/差別化戦略について、分かりやすく書かれていてお気に入りの本になりそうです。(私の人生を救う本になるかもしれません。)
3冊とも同じような内容が書かれているのですが、差別化のために、短期の売上捨てても領域を絞り込むことの大切さを訴えています。
ちなみに「海と月」社は、古典的な本を扱っていて大好きな出版社です。
(この出版社の本は、派手な宣伝をしていませんが、出している本は海外で古典的になっているビジネス書で当たりの確率が高いです。)
「マイケルポーターの競争戦略は、1番以外の企業は差別化戦略を採るべきだ
と教えているが、具体的にどうやって差別化するかは書かれていない」
とか、読んでいて納得がいきました。
効果検証入門 正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎
「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」 読書メモ
「原因と結果の経済学」に続いて、一般向けの因果推論の入門書を読みます。
内容メモ
第一章 因果関係を立証するのが難しい理由
・他の要因が影響していた可能性がある。
・逆の因果関係だった場合もある。
第二章 ランダム化比較試験(RCT)
ドナルド・ルービン(Donald Rubin)
「潜在的な結果を用いて因果関係を考える方法(potintial outcome approach)」
介入効果(treatment effect)=Y1 - Y0
Y1:介入を受けた場合の結果
Y0:介入を受けなかった場合の結果
「実際には起こらなかった潜在的結果(counterfactual potentail outcome)」
=「反事実の潜在的結果」
=「反実仮想的事実」
「平均介入効果(ATE:Average Treatment Effect)」
・記述統計のバランスチェック(記述統計の平均値が介入グループと比較グループで似たような値になっているか)
・平均の差は統計的にゼロなのか?(標準誤差を使った検定)
単純ランダム化法(simple randomization)
ブロック・ランダム化法(block randomization)
第三章 RDD(Regression Discontinuity Design) 回帰不連続デザイン
自然実験(疑似実験)の1つ。
不連続(discontinuity)、境界線(borderline)
例:年齢の境界(70歳医療)、地理的境界(州)
前提条件
・他の要素が境界線上で非連続的にジャンプしていないかを検証する。
・データの主体が横軸の変数を恣意的に操作できない。
境界線付近以外に適用できるか?(外的妥当性)
第四章 集積分析
階段状の変化を使い因果関係に迫る手法。
・何らかのインセンティブ(商品価格、税金、補助金)が階段状。
・階段状で変化するのは分析で明らかにしたい要素のみで、他の要素は階段付近で非連続的に変化しないこと。
第五章 パネル・データ分析
差の差分法(Difference in differences methods)、固定効果推定法(Fixed effect estimation)とほぼ同じ。
「平行トレンドの仮定(parallel trend assumption)」
.・介入開始前に同じ動きをしていること。
・同時期に介入グループだけに影響を与える別の出来事がないこと。(共通ショックは除く。)
第六章 実践編
・スーパーの価格表示は税込・税抜
・電力の価格
・ウーバーの価格による需要曲線
・
『「原因と結果」の経済学』読書メモ
「原因と結果」の経済学
マーケティングの因果推論の勉強のために『「原因と結果」の経済学』 を読みました。
学習した内容を記憶するために、概要のメモを残します。
詳しい内容を知りたい方は下記から書籍をご購入下さい。
各章の内容
1章 因果推論の根底の考え方
「偶然」「第3の変数」「逆の因果関係」が無いことを「反事実」で証明
2章 因果推論の理想形「ランダム化比較実験」
3章 たまたま起きた実験のような状況を利用する「自然実験」
4章 「トレンド」を取り除く「差の差分析」(疑似実験その1)
5章 第3の変数を利用する「操作変数法」(疑似実験その2)
6章 ジャンプに注目する「回帰不連続デザイン」(疑似実験その3)
7章 似た者同士の組み合わせを作る「マッチング法」(疑似実験その4)
8章 ありもののデータを分析しやすい「回帰分析」
補論① 分析の「妥当性」と「限界」を知る
補論② 因果推論の5ステップ
キーワード
ランダム化比較試験(RCT:randamized controlled trial)
研究対象を介入群と対照群にランダムに振り分ける。
介入群が「もし介入を受けなかったらどうなっていたか」という反事実を対照群で穴埋めする手法。
自然実験(Natural Experiment)
研究の対象となる人々が、制度変更等の「外生的なショック」によって、介入群と対照群に自然に分かれたことを利用して、因果関係を検証。
差の差分析(DID:Difference in difference design)
介入群と対照群において、「介入前後の結果の差」と「介入群と対照群の結果の差」の2つの差を取る。
前提条件
・2つの群でトレンドが同じこと。
・介入タイミングで、別の変化が2つの群で別々に生じていないこと。
操作変数法(Instrumental Variables Method)
原因と結果の間の交絡因子の影響を排除するために、
「原因に影響を与えることを通じてでしか結果に影響を与えない」操作変数を使用して、介入群と対照群を比較する。
前提
・操作変数は原因に影響を与えるが、結果に直接影響を与えない。
・操作変数と原因の両方に影響を与える第4の変数が存在しない。
回帰不連続デザイン(RDD:regression descontinyuity design)
恣意的に決定されたカットオフ値の両サイドで、介入群と対照群が分かれる状況を利用して因果効果を推定する方法。
・カットオフ値の周辺で結果に影響を与えるような不連続に変化するイベントが起きていないこと。
、マッチング法(Matching Methods)
結果に影響を与えるような共変量を用いて、対照群の中から介入群とよく似たサンプルをマッチさせて比較する方法。
「新しいアナリティクスの教科書」感想
新しいアナリティクスの教科書
Google Analyticsの見方も分かってきたところで、
「どのように分析すればよいか」「どのように施策を打てばよいか」の参考になる本を読んでいた。
新しいアナリティクスの教科書 データと経営を結び付けるWeb解析の進化したステージ[アナリティクス アソシエーション公式テキスト] (a2i BOOKS)
- 作者:アナリティクス アソシエーション
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
豊富な具体例
こちらの「新しいアナリティクスの教科書」は、具体例が豊富で分かりやすかった。
・ゲームの定着率を上げるには、友達数をKPIにする。
・BtoB商品のサイトからのリードは、期間がたってからアプローチする。
など、データをどのように活用するかが事例として載っていたので納得だった。
組織について
データ分析関連の書籍では組織体制について触れていることが多いのだが、今一、組織体制の重要さが分からなかった。
「分業体制を取ろう」とか当たり前ことを述べている気がしたからだ。
しかし、この書籍で、組織内での具体的な分析のプロジェクトの進め方に説明してくれているおかげで、必要な役割が見えて来た。
やはり施策の決定/予算は、部門のリーダーが決定しないといけないし、外部のベンダーは伴奏型のコンサル/ツールの設定にならざるを得ない。
これからの自分の取り組み
自分は、外部からデータ分析のサポートをしていきたい。
1.ツールの設定/システムを提供すること。
2.分析の仕方/結果の解釈の仕方を伝えること。
3.事例などを収集して、アイデアを提供すること。
を重点的にやっていきたい。